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「支援シート」ってそもそも必要なの?
先日、「支援シート」作成にあたってのサポートについて、記事(こちらをクリック)を書かせていただきました。
私たち心理士は、「支援シート」等の新たな幼稚園・学校等の所属先や、関係機関へお子様の情報を引き継いだり、情報提供をしたりすることに関わる機会が度々あります。
そのような場面に関わる際に、保護者の皆様から時々こんな声を聞くことがあります。
「事前に学校に情報を伝えたら、うちの子はそういう子だと色眼鏡で見られませんか?」
「始めからレッテルを貼られてしまったら、伸びるものも伸びなくなってしまうのでは。」
「新しい先生には子どもの良い面を見て欲しいから、苦手なことをわざわざ伝えるのは気が引ける・・・」
確かに、今の世の中の人全てが、発達障害や発達特性について正しく理解しているとは言えない現状の中で、我が子が本当に正しく理解してもらえるのだろうかという不安や、まっさらな気持ちで子どものことを見て欲しいという保護者の皆様のお気持ちは当然だと思います。
ただ、心理士として様々な方に関わらせていただく上で感じるのは、集団の中で配慮や個別的な対応が必要になる可能性があるお子様についての支援を考えるうえで大切なのは、「知っているからこそ見えてくることや、できることがある」ということだと思います。
例えば、注意が逸れやすく、集中が持続しない傾向があるA君という男の子がいたとします。
小学校に入学した際、なかなか授業に集中できず、フラフラ席を立って歩きだし、お友達にちょっかいを出してしまったとします。
その場合、もし担任の先生が全くその子の特性のことを知らなかったとしたら、授業を真面目に受けようとせずにふざけている、という風に見えてしまうかもしれません(もちろん、そのように判断せず、特性を的確に把握して下さる先生も沢山いらっしゃいます)。
もし、事前に先生がその子の発達特性を知っていたら、同じ行動でも違った意味に見えて来ます。「あ、友だちが話しているのが、聞こえてしまい、それが刺激になってそちらの方に注意が逸れてしまったんだな」と。
同じ行動でも、大人の側が見る視点が異なると、対応方法が異なってきます。前者であれば、「席に戻りなさい!」と注意するだけで終わってしまうかもしれません。
ですが、後者の場合は、「刺激(つまりはお友達の声)に反応しやすいのであれば、座席の位置や周囲にどのクラスメイトが座るのかについて配慮をすることで、集中が持続しやすくなるかもしれない」と対等策を考えて下さるかもしれません。
先生が、「知っている」のと、「知らない」のとでは、大きく対応に差が出てくる可能性があります。
もちろん、この例は極端な例ですので、実際はそうではないことも多いかもしれません。ですが、私たちは、同じ現象を目の前にしても、人によって受け取る意味が異なります。
これは有名な話ですが、コップに水が入っているのを見た時に「コップに水が半分も入っている」と思う人もいれば、「コップに水が半分しか入っていない」と思う人もいます。
同様に、人の言動もそれを見る側、受け取る側の思考や、考え方、知識、経験等によって違った意味になります。
お子様のサポートをこれからしていく支援者の方々も、お子様の情報が事前にあれば、その言葉や行動にどのような意味があるのか、どう分析し、どのようにサポートすることがその子にとってより望ましいのか、ということを検討することが出来ます。
そのような意味で、「支援シート」等の、情報を共有するツールや機会は非常に大切なのではないかと思っています。
情報の共有はその分の時間や手間はかかりますが、その分、お子様が学校生活や集団生活の中で「困る」場面を減らしたり、周囲に正しく理解していただくことに繋がります。
弊社では「支援シート」等に限らず、学校や幼稚園・保育園等の所属先にお子様のことをどのように伝えたらよいのか、といったことに関するご相談にも丁寧に対応させていただきます。また、必要に応じて直接所属先にお伺いすることも可能です。
情報共有に関してどうしたら良いかわからない等のご心配がありましたら、一度弊社までご相談下さい。ご家族と一緒にお子様へのより良いサポートを考えていけたらと思っております。
合同会社A. E. カンパニー
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