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SOSを伝える力

A.E.カンパニーの寺谷です。
これまで、たくさんのお子さんの知能検査を担当してきました。
特に最近は、中学校への進学を考えるにあたり、新6年生の検査を担当する機会が増えています。
もちろん、知能検査を行っているわけですから、一人一人のお子さんの知能水準や、能力の偏りの有無を知ることは、今後の進路やサポート方法について考える大切な材料となります。
けれど私は、この新6年生の検査をするにあたって特に、もう一つ
<知りたいな>と思っていることがあります。
それは、【SOSを伝える力】をどの程度持っているか、ということです。
知能検査には、簡単な問題もあれば、難しい問題もあります。
その、難しい問題に出会った時。
どうしても「分からない」と思った時。
「分かりません」、「知らない」、ということを表現できるかどうか、ということです。
「えー!さすがに聞いたことない」、「パス!」と、笑いながら明るく、堂々と伝えるお子さんがいます。
かなり長く考えに考えて、やっとやっと小声で「…分かりません」と言うお子さんもいます。
無言ではあるけれど、こちらをじっと見て、首を傾げ、“分からない”と伝えるお子さんがいます。
そして、こちらがどう待っても、どう声を掛けても、全く何も表現できずに固まってしまうお子さんも、中にはいます。
個性や、一人一人が得意/不得意を持っているということは大切なことです。
皆が同じ反応をしなくてはいけない、ということではありません。
けれど、知能検査という、【同じ問題を、同じようにお子さんに出す】という場面でのこのような違いは、見逃すことができないことのように思います。
それは、場合によってはそのお子さんの、“生きやすさ”に直結すると問題だと思うからです。
日常生活のありとあらゆる場面で、そしてこの先中学校という新しい環境に飛び込む時。
このような【SOSを伝える力】は、お子さんを助ける、1番の力になるのではないかと思っています。
やはり、特に学校などの集団生活の場では、SOSを伝えられるお子さんの方へサポートがいきやすいという現状がありますし、ご本人の精神的な負荷も違ってくると考えるからです。
<もう少し、堂々と伝えられるようになるといいな>
<そんなに過剰に“できなきゃ”と気にしなくてもいいのにな>
私は、そんな風に感じながら、私がどのようであれば、お子さんがベストの力を発揮できるのかを考えつつ検査をしています。
皆さんのお子さんは、SOSをどのように表現されているでしょうか?
また、皆さんは、そのSOSをどのように受け止めていらっしゃいますか?
『少し気になる様子があるけれど、それがSOSなのかよく分からない』
『SOSなのかもしれないけれど、ついつい叱ってしまう』
『SOSを出すのが苦手で、ストレスを溜めているのかもしれない』
などなど、何かご心配な点等ございましたら、どうぞお気軽に弊社をご利用ください。
保護者の方が相談機関を利用してみるということも、お子様にとって、【SOSを伝えること】のいい見本となるのではないでしょうか🌝